2012年9月1日土曜日

グローバル化の旗手は国益保護へと路線転換

「国家統制に傾斜する米国」
米国主導で突っ走ってきたグローバル資本主義が、完全に行き詰まりをみせてきた。 市場主義という米国基準を世界に押し付け、資本を吸い上げる「いいとこ取り」の手法は壁にぶつかり、米国も世界も混沌の時代に入った。 米国に蔓延するのは手のひらを返したような「愛国主義」と国家による過剰介入だ。剣呑な時代を日本はどう乗り切るべきか。

雑誌「ウエッジ」の冒頭には、このような見出しで米国の路線転換を論じている。
具体的に追ってみると、

・テロを機に民間支援の禁を破り航空業界向けに150億ドルの救済支援。
・鉄鋼業界では、自由化どころか緊急輸入制限を打ち出した。
・マイクロソフト社に対する独占禁止法違反の訴訟を取り下げ、和解へ。
・財政政策では、減税を中心に1000億ドル規模のテコ入れ。
・金融政策では、FRBがFF金利を1.75%という超低金利で金融緩和。
・景気テコ入れとして、自動車ローンの金利をゼロに。


グローバル化の旗手だった米国は、規制緩和を推し進め自由競争の確保という市場経済の基本原則を世界に押し付けながら、今やあられもない国益重視路線に出ている。自国の経済が悲鳴を上げ始めているからには、需要政策をとるのは当然のことだろう。

さて、小泉内閣に目をやれば、
あくまでもグローバル化や規制緩和を目標とした「構造改革路線」だが、当の米国はいち早く国家統制へと路線変更してしまった。外圧に押され米国に追従してきた日本だが、小憎らしい米国に学ぶ必要もある。


また、この米国の転換は以下のことを示している。
・グローバリズムは破綻したのであり、欧米はすでに路線変更している。
・「自由」な市場も「国際協調」も、国益保護・覇権闘争のための詭弁である。
・市場経済は国家の保護(国家統制)なくしては成立しない。

あたかも世界標準のようにグローバル化を叫ぶのは、もう終わりにしてもらいたい。そして、このような事実を突き付けていく必要性を感じる。

衛藤信義 

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